親しい友人がいない独身者がゴミ屋敷を作る

「生きる意欲が感じられない」80代独居女性のゴミ屋敷にあった"灰黒色のカップ焼きそば"

 ネットサーフィン(もう死語になりつつありますが…)をしていて、たまたま読んだゴミ屋敷の記事に衝撃を受けました。


まず部屋にうず高く積もったゴミの写真に驚き、しかもゴミ屋敷の住人にいわせるとゴミではなく「これらは必要で大切なモノ」。
……ええ!? 飲みかけのペットボトルや食品の空き箱ってどこからどう見てもゴミなんだけど。ゴミ屋敷の住人は、ゴミと認識していないという。
依頼はゴミ屋敷の住人の死後の片付け――遺品整理であり、専門の清掃業者が片付ける様子をレポートしています。そして生前整理でゴミ屋敷の住人本人や親族からの依頼もあり、なぜゴミ屋敷化するのかを専門家が分析している記事がありました。

ゴミ屋敷に陥る人は独居、つまり独身者が多い。

だから「結婚するべき」という指摘もされることが多い。けれども、がんばっても「家族」を手にできない人がいる。

孤独孤立を研究する早稲田大学の石田光規教授は「人間関係が『必需品』から『嗜好品』に変わってしまった」と話す。お金とネット環境があれば、生活に必要な物はほとんど手に入る。誰もが付き合いたい人とだけ付き合い、会いたい人とだけ会う社会。そうなると、人間関係において“相手を満足させる資源”に恵まれた人ほど多くの人間関係が手にできる

「孤独でいるのもいないのもその人の自由となってしまうと、“選ばれる”ことが重要になります。特にオンラインが推進される社会では、目的から外れた人は存在しにくくなるため、『わざわざ直接会わなくても』と、人間関係から撤退させられる人が増えるでしょう」

【排除・孤立層】では、それ以外の層と比べて、両親の離婚を経験している、いじめ・不登校の比率が高く、幼少期の本の読み聞かせ、勉強を教えてもらう経験、旅行に連れて行ってもらった経験、動物園・植物園に連れて行ってもらった経験が少ない。

「家庭環境が揺らぎ、親からあまり面倒を見てもらえない【排除・孤立層】は学校にも適応できず、友人・知人関係が蓄積されません。学校での不適応は労働市場での不適応につながるため、よい仕事につけず、経済的にも厳しくなる。結果として友人・知人はますます得にくくなる。【排除・孤立層】は、“社会から切り離された存在”なんです」

 …………これ読んだら、一人暮らしの独身者がなぜゴミ屋敷化に陥りやすいかがわかります。そして独身である私自身が当てはまってしまって、愕然としました。
今はまだ親がいるけど、老後、一人暮らしで病気になってしまうと、我が家もゴミ屋敷化してしまうかもしれません。
就職できないならさっさと結婚すればいい、と若い時何度も言われました。でもモテないからどうしていいかわからず(当時は超氷河期で、婚活という言葉すらなかった。)、なんとかお見合いで結婚はできたものの、相手が経済DVのモラハラ夫だったためにすぐに離婚…………。生活が成り立たないぐらい話し合いができず、そのときの後遺症が今でもあります。嘘ばかりつかれてしまって、他人を信用できなくなったんですよね。しかも元夫は外面が良くて、最後まで私を悪者にしようとしました😪

その後遺症で相手を警戒してしまって、友達ができないし、都合が悪くなったら離れていくんだろうな、という思いが心のなかにあるためか、親しい友人はいません。
そしてコミュ力がないものだから、自分から積極的に声をかけないと誰からも相手にされません。がんばって友人作ろうとしても、相手に合わせるのが面倒なのもあります。子供のときから世間の流行に疎いし興味ないから、話が合わない…………。イマイチ空気が読めず、イジメられたことが何度かあります。
でもそれは私自身が選択した結果であって、ダメな自分が悪いから、と思っていたんだけど、ネットで情報を得るにつれて、私のような生き方をせざるを得ない人、ひっそりだけどたくさんいるんだと知りました。そういうタイプは自己主張をしない(抑圧されていたからできない)んで、社会の影に隠れてしまっています。
その現代社会の歪みが、ゴミ屋敷として表出しているのでしょう。

だけど皆が皆、同様の条件でもゴミ屋敷化するわけではないので、その境界線というかきっかけはなんだろうとも思いました。
記事では離婚や死別、イジメ、離職がきっかけとなって、無気力になってしまい、セルフケアを怠ってしまうからとあります。病気ならまだ救済措置はあるけど、離職やイジメ被害からのうつ病が社会問題化しないと、ゴミ屋敷はどんどん増えていくのでしょう。
個人的にとくに日々感じるのは、イジメ加害者への重い処罰があってもいいんじゃないでしょうか。未成年だと無罪どころか将来があるから、とかばわれるし、職場イジメだと被害者が泣く泣く辞めることがほとんどです。
やむを得ず社会から孤立してしまう人々のことを、もっと真剣に考えてほしいです。政治や行政だけでなく、社会一般――世間の人々も。「陰キャのくせにw」と嘲笑するような社会は、インターネット含め健全とはいえません。



潜入・ゴミ屋敷 孤立社会が生む新しい病 (中公新書ラクレ)

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