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10月, 2018の投稿を表示しています

楽天 mineo UQ LINE モバイル エントリーパッケージ(事務手数料0円)

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本当は楽天モバイルを紹介しようと思っていたんですけど、入荷未定になっていました。わずかの差で購入できてよかった(^_^;) 後日、販売再開してましたので、下記に楽天モバイルを追加しました。 ガラケーを所持して、スマフォを持っていません。代わりにタブレットを愛用しています。電子書籍が読みやすいから。 でも、我が家のWi-Fiだけを通信手段にしてしまうと、通信の故障や災害、遠出でネット環境が使えなくなるため、予備の回線として契約しました。低速データのみのプランです。 使ってみたら、画像がなかなか読み込めない以外はサイト閲覧できました。アナログ回線のダイヤルアップでネットをしていた頃を思い出す速度です(笑) なので、本当に通信手段がないとき以外は活躍しない予定。  始めに契約を申し込みしようとしたら、事務手数料が36xx円もかかるのを、契約直前で知りました。 もしかしたらどこかでキャンペーンとかしてないかな、と検索していたら、アマゾンでエントリーパッケージを販売しているのを発見。 ……楽天なのに、なぜかアマゾン経由だと事務手数料がかからないのがなんだか不思議です。本家だとしっかり事務手数料請求していましたから。 ほかの通信会社もエントリーパッケージを販売しています。 送料と商品代金は必要になりますが、1ヶ月無料がない代わりに、月々の金額が少ない場合はこちらがお得になります。  ただし一度契約すると、最低、半年間は利用しないといけません。解除したら、高額料金が請求されますので注意。  通信会社によって契約内容は異なりますので、購入前に確認しましょう。 楽天モバイル エントリーパッケージ SIMカード(事務手数料無料)(ナノ/マイクロ/標準SIM対応)[iPhone/Android共通]     mineo エントリーパッケージ au/ドコモ/ソフトバンク対応SIMカード データ通信/音声通話 (ナノ/マイクロ/標準SIM/VoLTE)     BIGLOBE UQ mobile ウェルカムパッケージ(音声通話付SIM/データSIM) iPhone/Android共通・au対応 [最大13,000円キャッシュバック キャンペーン中]   LINEモバイル エントリーパッケージ ソフトバンク・ドコモ対応SIMカード データ

歴ノベサーチ~歴史Web小説検索について

歴ノベサーチ~歴史Web小説検索 無料で読めるオリジナル歴史小説を登録できます。(二次創作、ファンタジー、異世界は登録をご遠慮ください。) 投稿小説サイトにはない、探しやすいよう多様性のあるカテゴリが特徴。 投稿小説サイトで目的の歴史小説を探しにくい、読まれにくい状況をいくらか改善することを目的に公開しております。 歴史小説や歴史資料を投稿、サイト公開されていましたら、ぜひ登録してください。 自薦・他薦問いません 。 宣伝大歓迎です。リンクはご自由にどうぞ。 自薦だけでなく、おすすめ作品も登録できるよう他薦もOKにしました。 ホームページサイトの作品・投稿サイトの作品 どちらでもいいので、おすすめがあれば登録してください。メルアドがなくても登録できます。

WordPressプラグイン Count per Dayを削除した理由

世界史ブログ で使用していたWordPressプラグイン Count per Day を削除しました。 突然、個別記事(メニュー)が真っ白になって表示されなくなったためです。投稿記事は表示されるのになぜ??? もしかしたらテンプレートをバージョンアップしたから?と思って、別のテーマに変更しても真っ白なまま……。 検索してみると、PHPのバージョンとどれかのプラグインのバージョンがあっておらず、不具合が出ることがあるとか。だから、PHPのバージョンを古いものにすればいい……って、プログラム関連は詳しくないし、レンタルサーバが自動でバージョンアップしているだろうし、困ったことに。 で、さらに検索してみて、同じ症状を解決した方法が、ページの更新。それをしてみても、やっぱりダメ。 そこで思い切って、プラグインを全部停止したら、表示されました。良かった~(/_;) で、再開したらCount per Dayを有効にした途端、記事が真っ白に元通り。犯人はこやつか、と、とっとと削除しました。 以前、 執事とメイドブログ でも、データベースが重くなりすぎて、ブログ表示に時間がかかったことがありました。定期的にデータを消去しないといけなかったようです。 (これだけで500M以上もデータベースを使っていた。削除したら、15Mぐらいに減ったのには苦笑したけどw)  記事ごとにカウントしてくれるから、便利で愛用していましたが、さすがに使うのは止めたました。 というわけで、Count per Dayを使っていたら、削除を推奨します。 参考までにですが、代わりに Slimstat Analytics を導入しています。管理ページでのみ閲覧できる、アクセスカウンター。

当ブログに移転しました。

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https://silverashrose.blogspot.com ↑新ブログになります。 13年以上お世話になったSeesaaブログから、Bloggerへ銀の手帖ブログを移転しました。 電子書籍を使い始めてから、漫画ばかり読んでてここ数年、あまりブログを更新していませんでした。それでも移転した理由は、旧ブログがスパムブログのターゲットになっていたためです。 旧ブログの記事を無断転載した高級品紹介ブログが、大量に造られており、検索流入がさらに見込めなくなったためです。記事数750のブログなのに、カウンターは日計1桁はさすが寂しいなーと、ずっと以前から思っていたら、スパム化されていたなんて……(ノД`)シクシク 現時点で入手可能でとてもおもしろかった書籍を、当ブログへ移動させました。 絶版で電子化されていないタイトルが多すぎて、わずかしか紹介できなかったのが残念ですが。 ↓その他過去ログは旧ブログに置いてます。 http://silvernote.seesaa.net 今後は読んで面白かった書籍のみを読書メモとして、紹介します。漫画は基本的にしません。 あとは購入して良かった商品とか、おすすめウェブサービス等です。 更新頻度はとてもマイペースになりますが、よろしくおねがいします。

ハリー・オーガスト、15回目の人生

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ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫) 20世紀初頭のイギリスが舞台にひかれ、サンプルを読んでみたら止まらなくなって即キンドルで購入。 これは面白かったです。久々のマイ・ベスト小説! 日本人作家だったらこんな発想しないだろうな、という奇想天外の内容。まさしくアイデアの勝利。そして、その突拍子のないアイデアを、破綻がないままひとつの壮大なドラマとして書き上げたのがすごい。 テーマはいわゆる不死と転生でありがち。だけど、同じ人生を何度も記憶を持ったままくり返すのが新鮮。前世の失敗を、二度目の転生で取りもどす。というパターンはよくあるけど、さらに三度、四度、十回……と延々と続きます。 そんな転生する彼ら(ひとりだけじゃない)にも弱点があり、それがラストへの布石になりますが、たったひとつのシンプルな答えを導き出すために、何度も転生して皮肉な友情ごっこをする描写が印象的でした。 まさしく壮大な嘘。だけど、孤独な主人公たちが求める友情は真実でもあります。だから最後までバレなかったのでしょう。 冒頭のメッセージの意味が解ける、ラストに鳥肌が立ちました。それぐらいすごかった。 いろいろフィクションらしい設定があるのですが、とくに秀逸だと思ったのが、「転生単位の伝言ゲーム」。 各々の時代に不死者が存在していて、死ぬ前にまだ幼児の不死者へ伝言。その幼児が老齢になって死ぬ前、またべつの不死幼児へ伝言……。それを繰り返していけば、過去から未来への壮大な伝言になります。過去にあった歴史を不死者たちはそれで知ることができます。 その逆に、幼い不死幼児がこれから死ぬ不死者へ伝言します。その不死者が転生し、また別の老齢不死者へ……と伝言。そうすると、未来のできごとが過去へ伝わります。 それがキーとなり、やがて訪れる世界の破滅を主人公ハリーが知ることから、物語が一気に加速。読み始めたころはどちらかといえば歴史モノっぽいのですが、後半はまさしくSFでした。 だからこれはSFファンタジーです。歴史モノと思って読んでいたら、いい意味で裏切られました。 文章も堅くなくて読みやすかったです。今まで読んだ小説のなかで、トップテン入りするほど面白かった! 翻訳ものに抵抗がなければ、とってもおすすめです。

ドクター・ヘリオットの素晴らしい人生

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ドクター・ヘリオットの素晴らしい人生 (上) (ドクター・ヘリオットの素晴らしい人生) (集英社文庫) ヘリオット先生ことアルフ・ワイト氏の生涯を綴ったノンフィクション。これを読めばどの部分が本当のできごとで、どの設定が創作なのかがわかります。 実際にあったできごとを面白くエピソードにまとめて、一冊の本にしていたよう。ただ設定をいろいろ変えていて、できるだけモデルになった人のプライバシーを守ろうとされていた――はずだけど、あまりにも個性的だから読んだ本人だけでなく、周囲のだれもがすぐに見破ったという。性別を変えていてもそれは同じ(笑 名前は違いますが、気まぐれな獣医パートナーのシーグフリードと、その弟の陽気なトリスタンは本当に一緒に働いている同僚であり友人でした。そのモデルとなった兄のドナルド・シンクレア氏は誇張するどころか、実際はさらにエキセントリックで、「自分はこんな滑稽な人物ではない」と心底思っていたらしく、一度、ワイト氏と揉めたエピソードに驚き。 大人げないと周囲はたしなめるものの、それ以来、ヘリオットもののシーグフリードからエキセントリックさが消えてしまって、読者から苦情があったほど。それでも友情が壊れるのをためらったワイト氏は、二度と気まぐれシーグフリードを登場させませんでした。 へえ、そんな裏話があったのか! だから初期の作品であれだけ登場したシーグフリード先生が、後期でぱたりと姿を出さなくなったとは……(汗 若い助手たちがやってきてもすぐやめてしまうのも、ドナルド氏が「パートナーにしない」と宣言しているためで、エキセントリックな経営者らしいエピソードです。 そのぶん、作品以上にワイト氏の負担が大きく、夜間診療はほとんど請け負っていたとか。それでいて雇われの身だから、給料はずっと少なく、ついに不満がたまって談判するエピソードもありました。 そんな同僚に振り回されながらも、真摯で真面目なワイト氏はドナルド氏を決して嫌わず、ずっと友情を結んでいたのもすごいです。短所はあるけど、だれからも愛されるような長所も持っていた人物。それと、ワイト氏が温かい人柄だった証もあるでしょう。とにかく温厚で、真面目で友人もたくさんいました。 文学の素養がかなりあって、テニスで代表選手に選ばれるほどの運動神経もありました。何でもできるすごい人。ただし数

褐色の文豪

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褐色の文豪 (文春文庫) 父のデュマ将軍を主人公にした「 黒い悪魔 」以上に、こちらが面白かった! 主人公である2世デュマは作家になりたかったというより、父を超えた大将軍になりたかったようです。 だからでしょうか、やることなすことが桁外れに豪快で、文学の力で父の武勲のように手柄を立てていきます。もし時代が戦争ばかりだったら、文豪デュマは生まれなかったはず。 プロローグはそれを象徴するように、失脚するナポレオンを目撃し、絶望するデュマ少年の姿から始まります。 しかしどれだけ成功しても「何かが違う」と常に疑問をいだいていたため、7月革命が始まると率先して武器を手に革命に参加。が、自負していたほどの活躍ができず、文豪として扱われてしまうのに落胆します。 その後、ダルタニャンの書物との出会いで傑作が生まれ、さらに劇場も運営して大成功を収めます。でも、2月革命が始めると、今度は議員に立候補するも落選。父のように国を動かす英雄になれない現実にまたも落胆し、それからは人生が転落していくのです。 老年になってもまだデュマ将軍を追いかけることを辞められず、宿命のようにイタリア統一運動に参戦。が、またまたそこでもしくじってしまい、意気消沈のうちに世を去ります。 なぜ父の影響から逃れられなかったのかといえば、おそらく三才で父をなくしたため、周囲から聞かされた昔話しが英雄物語へと昇華していったためでしょう。理想の父を脳内につくりあげ、それを誇りにしていた。だから父のように黒人の血を引いていることも誇らしかったし(デュマ将軍は差別に苦しんでいた)、ナポレオンに不当な扱いを母子が受けてもまったくへこみません。 その天性ともいえる前向きさが文豪デュマの魅力であり、欠点でもありました。有名になってお金が入るようになると、何人も愛人をこさえ、私生児もたくさん生まれます。知人が屋敷に来たら好きなだけ滞在させ、食事も自由でした。 それが晩年、あだとなってしまい、お金の管理ができないものだから、収入が減っても浪費をやめず借金。そして破産、海外逃亡。そのツケを払う羽目に陥ったのが、息子のデュマ・フィスでした。腹違いの弟妹たちの面倒をみていたほど、人格者だったようです。父に似ず、真面目。そのぶん、文学方面では成功はしても、父ほどではなかったけども。 大デュマ――天才肌の文豪って

ヘリオット先生奮戦記

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ヘリオット先生奮戦記 上 (ハヤカワ文庫 NF 76) 実在したある獣医さんの回想録。本名かと思ったら姓はペンネームでした。ちょっと脚色あるのかな、と思ったほどとっても面白い奮闘記。どうしてあまり知られていないのか。たくさんの人にぜひ読んで欲しい作品です! ムツゴロウさんのようなほのぼの~とした中味かと思いきや、獣医さんてとってもタフじゃないと勤まらない職業なんですね。都会ならば犬猫等のペットだからひどく危険な診察はないけど、田舎だと患者ならぬ蓄患が牛や馬ばかり。時折羊。もちろんペットの犬猫も診察しています。 1930年代当時はまだまだ医療技術も発達し始めたころで、手術も小屋や野原ですませてしまいます。あれやこれやと奮闘する姿がたくさん。 一番多かった話が、牛の難産。逆子を引っ張り出すために上半身裸になって、手を突っ込むのは当り前。真冬の深夜だろうが、電話で呼ばれたらおんぼろ自動車(一日に一回はパンクするという代物。当時は道も悪く、車のタイヤも丈夫ではなかったから)でかけつけるんだからとってもハードです。もちろん休みも殆どなし。 診察なんて牛や馬に蹴られて、ひどいときは打撲になって寝込むほど。まさしく命がけ! ミスをして落ち込むこともあるんだけど、すぐに前向きに立ち直るんだから精神もタフ。 でもぱっと見は、真面目でおっとりした好青年というギャップもたまりません。助手として就職した当初は、村人になめられてばかりだったほど(笑) あと獣医科大学を卒業したばかりの新米なのに、素質があったのか、めきめきと一人前の医師になっていくのもすごすぎ。雇い主である同じく獣医のファーノン先生はやり手なんだけど、その弟の同じく獣医の卵のトリスタンが使えないんだから、その差は歴然です。 そんな大変な日々なのに、ヘリオット先生の回想録はユーモアたっぷりなのがすばらしい。そのなかで印象に残ったエピソードを紹介。 犬のチンのトリッキー。飼い主が有閑マダムそのもので、贅沢三昧な生活を送っているために、肥満と病気に苛まれることに。それをマダムは栄養が足りないんだわ、と高級なお肉やケーキを与えるんだから、さらに症状が重くなって、ついにたまりかねたヘリオット先生は病院である自宅へ強制的に連れ帰ることに。そしたらあっという間に犬らしくなって、元気に駈けずりまわって回復するのが

大聖堂

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[合本版]大聖堂(上中下) 全3巻 (SB文庫) 評判にたがわずとっても面白かった! これだけ長い物語にもかかわらず、常に起伏があって読者を飽きさせない愛憎の人間ドラマな展開がすごすぎる。それでいて登場人物に感情移入しやすく読みやすいんだから、絶賛されるのも納得。あと中世当時のイングランドの描写が細かくて、暗黒のイメージに覆われていた時代が払拭されました。堅苦しくないのがよかったです。 続きが気になってたまらず、今週は寝不足。まさに寝食を惜しむほど面白い書物(笑) 休日に残りを一気によんで大満足の読後感でした。 初めの主人公、建築職人トムの苦難に引きこまれます。始まりから波瀾万丈が続き、彼らはどうなるんだろうとはらはら。途中、妻が亡くなり、新しく家族になったエリンとジャックが個性的。娘のマーサは愛らしく、息子のアルフレッドは愚鈍。 そして気になるのは、旅の途中で捨てた赤子。生まれたばかりの彼がどうなるのかも、気になる伏線です。ラスト近くでようやく動くんだから、壮大。それまで忘れかけていたよ、という。 そして中巻になると、伯爵令嬢アリエナの苦難と成功、そして挫折にはらはら。初めはあまり登場しなかったんだけども、ハムレイ家に爵位を簒奪されてしまい、地に落ちる一家の描写が涙モノです。弟のリチャードはあまり賢いとはいえず、姉のアリエナが奮闘するのが健気。そして、恋を知り、結ばれるも、別の男と結婚してしまい……という、展開に釘付けでした。読むのがやめられないほど。 あと王位継承争奪の戦争描写に圧巻。中世の騎士たちの戦争描写が濃いのに大感激。まるで映画を見ているよう。どのシーンもだけど、説明は控えめにして、そのぶん臨場感あふれる描写がページを割いています。 下巻からはトムのあとをついだアルフレッドが挫折し、代わりに成長したジャックが棟梁になります。そんな彼や上巻からの主人公、フィリップ修道院長を悩ませるのはまたも、ウィリアム・ハムレイ卿。無防備な町を武装した騎士隊で襲うのだから、卑劣な悪漢ぶりを発揮。 そして彼らの陰謀がまたもめぐらせれ、フィリップは窮地に……。 大聖堂の建設を軸にした人間ドラマが展開されるのですが、善悪が割合はっきりしています。とくに全編を通しての悪人、ウィリアム・ハムレイ卿の悪どさがドラマ的。おまけに美徳など微塵もなく、あるの

チャイルド44

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  チャイルド44 上巻 (新潮文庫) これは面白かった&すごかった。まるで映画を見ているように場面のひとつひとつが印象的。あとミステリー部分はありがちな設定で弱いんだけども、1950年代当時のソ連(ロシア)の描写がとっても素晴らしいです。 スターリン体制下で生きるとは、毎日が生と死の狭間にいるようなもの。その緊迫感と他人だけでなく身内をも信じてはならない社会の恐怖がまざまざと伝わってきます。 上巻はエリート捜査官だったレオが部下の罠にはまり、片田舎の警官へ転落させられるまで。事件の捜査が進展するのは、下巻から。だから上巻を読んでいる時点では、ミステリーということをすっかり忘れて、だましだまされる緊迫のドラマにハラハラ。 超美人で従順な妻ライーサだけど、彼女は彼女で生きるためにレオと結婚。上巻はそんなそぶりがなかっただけ、下巻でのさまざまな告白に驚き。 ほかにも上巻の○○は、実は……という設定が多くて、下巻を読み出すと一気に読了したほど。 当時は世界大戦からまだ10年しかたっていなかったのもあって、その過去の凄惨さも物語の闇を深くしています。 事件の犯人はすぐに名前が出るので、ああ、彼か、とすぐにわかるんだけども、肝心な動機がなかなかわからない。ようやくラストに語られる段階になると、意味があるのか無いのかよくわからなかった、プロローグがじつは壮大は伏線だったというオチがすごい。まさしくこれが一番のミステリーであり、作品の肝という。 堕落した資本主義とちがって、楽園の社会主義には犯罪など存在しない。という考えが驚きのひとこと。そしてそんな社会に疑問を持つことこそ、罪深い犯罪者。 だから連続殺人犯がいても、なかなか逮捕されるにいたらない。それどころか無実の社会的弱者が処刑されちゃうんだから、狂っているとしかいいようがないです。 あくまでもフィクションなので、どこまでが真実なのかは定かではありませんが、建前は平等なはずの社会・共産主義こそ、階級闘争が激しい政治体制なんだな、というのをあらためて認識するのにも、おすすめの一冊です。 デビュー作でしかもまだ29歳のときに作品を発表したんだから、それも驚きのひとつ。おまけにロシアでは発禁書に指定されたというのも、作品の評価を高くしているのかも。(それだけ当時の真実に近い描写なんでしょう) 上

アガサ・クリスティー自伝

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アガサ・クリスティー自伝〈上〉 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) これはすごかった。何がすごかったかというと、自伝なのにとんでもないほど濃密な当時の描写があったこと。もっと早く読んでおけばよかった。 アガサ・クリスティファンにはたまらないだろう、彼女のことがたくさん書かれています。私は作品をいくつか読んだぐらいなので、ファンとはまた異なった感想になると思いますが、その点はご容赦を。 ミステリーの女王として知られているぐらいだから、もっと早くから作家を志していたとの予想はちがっていました。上巻のおわりごろになってようやく、探偵小説を書いてみようと挑戦するくだりがあるほど。その当時は第一次世界大戦で、アガサは篤志看護隊員として、トーキーの病院に勤務しています。20代のなかばのそのときですら、刺繍に代わる趣味としての感覚だったというんだから、びっくり。 面白いことに、美人で器用な姉のマッジがさきに作家デビューしています。短編小説が新聞や雑誌に何度か掲載されるも、あくまでも趣味だから、結婚して主婦になったら何も書いていません。それが当時の常識だったのかもしれませんね。 そしてアガサは結婚、出産するも、電撃的結婚をした夫のアーチーが除隊をして、貧窮しそうになったことで、ふたたび筆をとることに。出版された処女作「スタイルズ荘の怪事件」は、いくつもの出版社に投稿しても断られたといういきさつもあって、ようやく本にしてくれるもたった25ポンド。そのときも作家になるつもりはないとありました。あくまでも趣味のひとつ。 お金に困るたびにアガサは小説を書いていて、ついに離婚が決定的になったとき、やっと作家として生きていくことに決めたのです。生きるために。 離婚のくだりは気の毒というか、アーチーの言い分もなんだかなあ、と。「病気とか不幸がきらいだからと僕は言ったろう」って、子供か、きみは(苦笑)と突っ込みたくなった。ちょうどその前後、アガサは売名行為として非難された、失踪事件を起こしています。が、そのことにはいっさい触れられていません。だから、本当はもっといろいろあったのかもしれませんし、どうしても書きたくなかったのかな。(解説で、夫が殺したんじゃないかと、マスコミに騒がれたとあったので、もしかしたら妻が有名になっていくのに耐えられなかったのかと推察。それだけ彼は普通

虚栄の市

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虚栄の市〈一〉 (岩波文庫) ディケンズと並ぶ有名近代小説だそうですが、イメージしていた堅苦しさのまったくない作品でした。 当時はまだ小説といったジャンルが確立していなかったためか、文章の随所に、作者サッカレーの解説がついてたり、終盤には作者みずから旅行した際に、小説の登場人物に会ったという回顧録になっていたりと、いった部分が興味深かったです。 登場人物はだれも不完全で、お金や出世や道ならぬ恋に振り回されるすがたが、タイトルのとおり「虚栄」の世界に住む人々の物語。そのなかで特に光るのが、悪女ベッキーことレベッカ・シャープ。 賤しい出生のため、貧しさとさよならするために、彼女はみずからの才気と美貌でどんどんなりあがっていく様は圧巻。身分とお金のある独身紳士をみつけては、あれやこれやと手練手管で落とす描写は、一九世紀初めのお話とは思えないほど、現代的です。 准男爵の次男と駆け落ち結婚して、一流の社交界で名を馳せるのはいいけど、収入のないベッキー夫妻は、借金しまくって家計が自転車操業なのには笑えました。 モノを買うのも家賃を踏み倒すのも、すべてはツケ。そのうち支払うからと言いながら、適当な頃合いをみてはドロン。そしてついに夫であるクローリー氏が債権者監獄に入れられて、ベッキーは身の破滅に進むのですが……。 さすが悪女だけあって、なかなかへこたれないあっぱれな人です。 もうひとり対照的なヒロイン、アミーリアがいます。 とにかく彼女は純粋なお人好しで、女学院の友人だったベッキーの嘘だらけの身の上話にも親身になって聞いては、彼女を援助します。そして不誠実な夫(不倫を妻は知らない)が戦死し、実家も破産したことにより、アミーリアは貧しい生活を余儀なくされるのですが、それでも心美しい彼女は、亡き夫への愛のために、再婚もしないまま息子を育てます。 せっかくもうひとりの誠実なヒーローである、ドビン少佐の愛情も受け取るだけ受け取っても、それを当然として気持ちに応えない姿が、読んでてもなんだか、ベッキーと別の意味で「悪女だなあ」と思えてくるほど。 この作品が素晴らしいと感じたのは、作者が贔屓目に書いているヒロインさえ、美点と欠点を備えている人物に仕上がっているためです。 ほかにもアミーリアの兄ジョスの放蕩ぶりや、息子の子どもらしい残酷さもあって、まこと